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昇天峠のmareのレビュー・感想・評価

昇天峠(1951年製作の映画)
3.5
70分台のコンパクトなロードムービーだがとにかく色々起こり昇天峠越すまでにだいぶ時間がかかる。物事がジグザグに進み、邪魔ばかり入り、すんなり辿り着いてくれないユーモラスなブニュエル的不条理を体現したような映画で面白い。ブルジョワジーの秘かな愉しみのプロトタイプとしても捉えられる。バスの乗客が珍道中で協力関係が芽生えたり、子どもが産まれちゃったり、ぬかるみにはまったり、若い女が男を誘惑したり、トラブルの中でそれぞれに濃い人間ドラマが展開されてしかもみんな陽気な人が多いのが最高に可笑しくて雰囲気良い。キャッチーでカラフルな人間模様を描いた秀作。
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