Kamiyo

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のKamiyoのレビュー・感想・評価

4.0
1987年”バグダッド・カフェ ニュー・ディレクターズ・カット版”
監督.脚本 パーシー・アドロン
先日ある番組で ホリ-コ-ルの歌う”「Calling You♪」を聴き
何か、映画の主題歌だったよね思い、調べてみたらこの映画に出会った

「Calling You♪」のきれのある歌声がストレートに響いてきて、物語を引き締めてくれている。
【修理が必要なコーヒーマシンがそこにある】

なにやら初めに夫婦が砂漠の車のなかで喧嘩から始まる
それはドイツから夫と二人でアメリカへ旅行に来たヤスミン(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、
つまらない原因の夫婦げんかの末、
砂漠の真ん中で夫と別れ車を降りたヤスミンは、
重いトランクを提げてあてどもなく歩き出した。
クレジットが始まる、夫は砂漠の途中で降ろした
妻ヤスミン探し続けていくが
ヤスミンは結婚生活にあきあきしていたのか、夫から隠れる
そして行き着いたのが、モハベ砂漠のうら寂れたモーテル“バグダッド・カフェ”にたどり着く。

そこには風変わりな人々が集っていた。
四六時中怒りっぱなしだが
どこか憎めない女主人ブレンダ(CCH・パウンダー)。
寝てばかりいるバーテン。
ピアノの練習にかまけて赤ん坊の世話をろくにしないサロモ。
ハリウッドから来てカフェでふんぞり返っている
老画家コックス(ジャック・パランス)

夫と喧嘩別れしながらも前向きで陽気、
逞しいヤスミン“バグダッド・カフェ”の人々からも人気者になっていく
ヤスミンが間違えて持ってきた亭主のトランクに入っていた
手品セットをコッソリ練習してみんなに披露すると
あっという間に人気者になる。
心が通えば通うほど決して美人とはいえないヤスミンが美しくなっていく様子は手品を見ているみたいだ。
あのヤスミンの体格と女神のような笑顔と
さみしそうな表情ではないだろうか?
感情的な女主人ブレンダのこれまでとか思うが
そんなことは気にならない。
結婚生活も故国の家も捨てたヤスミンが、
うら寂れた砂漠のドライブインを活性化させる話。

トレーラーハウス住まいの画家はヤスミンに好意を寄せるが
西部男の装束だが素直に告げられないテレを見せる。
演ずるはあの名作「シェーン」でニヒルなガンマンを演じたジャック・パランス。老けはしたが変わらぬ姿がうれしい。

友情を育むのはそんな難しく事ではないと思わせてくれる。
人生って素晴らしいね。
人って捨てたもんじゃないね。
不思議なことにじっと見入ってしまう。
こんな不思議な映画は初めてだ。

何も起こらない。
Kamiyo

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