ramca999

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のramca999のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

唐突の夫婦喧嘩と斜めったカメラワークから不思議な世界観を予感する。
最初は謎の展開とブレンダが喜怒哀楽の「怒」しか持ち合わせてなくて、この映画、大丈夫か…と心配しながらの鑑賞だった。

中盤から世界観に慣れたのもあるかもしれないが、ジャスミンのコミュニケーションの取り方が絶妙におもろおばちゃん(笑)
ファンキーすぎるフィリスとかジャスミンに惹かれまくるコックスとかブーメランバックパッカーとかずっと双眼鏡で見ているサルとか登場人物がいちいちおもしい!
(いろんなシーンで声出して笑いました)

ジャスミンモデルの絵とかブーメランが多発することで、時の流れがわかりやすかった。
その流れの経過で、バグダッドカフェがどんどん人気店になっていって、気持ちどん底な2人が出会って上昇していくという展開が良い。

その流れがあったから、終盤ジャスミンがビザ切れで帰国した後にブーメランが戻って来なかったり、ジャスミンの絵を遺影みたいに飾ったり、もちろんブレンダの表情や元通り閑散としたカフェの様子からもジャスミンが居なくなったことの喪失感がよく伝わる。

でもジャスミン速攻で帰ってきて、バグダッドカフェはミュージカルマジックショーするレベルで爆上がり(笑)
コックスにプロポーズされてブレンダに相談するというオチで終幕。
これまでも、部屋を開ける際の所作からも、惚れているのはわかるけどあえて相談するという。
これはコックスたちと同様にジャスミンも「家族」になったってこと。
そんなハッピーエンドだったけど、ジャスミンの旦那マジで出てこんだな(笑)

コーヒーの好みも真逆で不信感しかなかった他人種同士が家族レベルの友情を育む良い話と観終えたからわかるんだけど、序盤は謎だし、中盤も独特なコミカル映画。

カメラワーク的に台数や機材は限られてそうだし、編集もかなり雑(が故に味が出ている)ないかにも低予算っぽい映画だけど、評価されているのはわかる笑えて最後ほっこりな良い作品だった。
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