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大脱走のsinginggizmoのレビュー・感想・評価

大脱走(1963年製作の映画)
3.8
名作にも関わらず何も知らず、元になった実話も知らずに初鑑賞。
軽快な音楽でオープニングが始まり、脱走する気満々の兵士達が、初っ端からやらかそうとするコメディタッチな序盤。
あ、こういう楽しいノリのエンタメ作品で、きっとみんな脱走できるんだね♪
と呑気な心持ちで観ていくと、とんでもねーラストに度肝を抜かれた。
そこは、実話に忠実に…現実は厳しく悲惨だった。

そんな最後ではあるものの、脱走計画を実行するにあたり、それぞれの特技をいかして役割分担したチームワークがすばらしくて、観ていて楽しい!
トンネルを掘った土を、ばれないように外に出す作戦とか、めっちゃおもしろくて笑った。みんなが地道に協力している姿はかわいい。

じゃがいもを蒸留して作ったまずい酒で(いも焼酎てことか?)祝う、独立記念日のシーンも良かった。
辛い捕虜の日々にも、そういう楽しみは必要だ。自らそういう楽しみを作り出す兵士達の心意気に感動する。

脱走作戦があらゆる方向からテンポ良く展開されて、その中で絆を深めていった兵士達の人間ドラマもあって、ほんとにお手本のようなエンタメ。
兵士達の友情がまた泣けるんだよなー。

ラスト、独房に戻されたスティーブ・マックイーン演じるヒルツの野球のボールの音で終わるのが良い。
生意気で飄々とした独房王ヒルツが、まだ諦めてねーぞと言っているようで、悲劇のなかの光だった。
そんなヒルツにスティーブ・マックイーンがハマり役だったよ。

独房王(The Cooler King)にはじまる、主要人物のニックネームがダサいようだが、一周回ってシンプルでかっこいい!
そんで、リチャード・アッテンボローが若くて(当たり前)、気づいた時びっくりした。
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