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コヴェナント/約束の救出のsinginggizmoのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.0
ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)とアーメド(ダール・サリム)の、いわゆる熱い友情とは違う、2人にしかない特殊な絆が感傷的でなくハードボイルドに描かれていて良かった。
コヴェナントというタイトルが作品の意図をしっかり包括していて、これ以上ないしっくり感。

銃撃戦のシーンの迫力が凄まじく、後から後からわいてくるタリバンがリアルに怖い。

アーメドが、ジョン・キンリーを救出するシーンは圧巻。
肉体的、精神的な辛さが伝わってくる。そりゃ大の男も震えながら泣くよ…という過酷さ。
彼はなぜそこまでして助けたのだろう。
のうのうと平和に生きている自分には、彼の心情は計り知れないものがある。
もちろん家族のためにビザを獲得したい理由もあったと思うが、それ以上に個人的な信条に突き動かされていたようにも思える。

ジョン・キンリーが、アーメドにビザが発行されておらず彼ら家族の行方がわからないと知って、自分が助けられたことを「呪い」のようだと感じる気持ちがリアル。
罪悪感や、いてもたってもいられなさが伝わる良い演出。

終盤、2人の静かな再会シーンが最高。
追われた状態で緊張感も保ちつつ、思わずニヤッとしてしまう男同士の粋なやりとり。
かっこいいー…と惚れ惚れ。

絶体絶命かと思われてからの、「死の天使」なるガンシップの登場にはテンションぶち上がり(笑)
ここは展開がわかってても、カタルシスが半端なく気持ちいい。

ガイ・リッチーには珍しい戦争もの。
いつも通りテンポよく観やすいし、戦争もののなかでもガイ・リッチーらしいテーマを扱っていると思う。
主演の、ジェイク・ギレンホールとダール・サリムも素晴らしかった。
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