TAK44マグナム

ソードフィッシュのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ソードフィッシュ(2001年製作の映画)
3.6
ジョン・トラボルタとヒュー・ジャックマン主演のアクション・サスペンス映画。
ヒロイン役にハル・ベリー。
ハル・ベリーは無意味にオッパイをさらすカットがあるんですけど(セクシー下着姿も披露)、オッパイのためにギャラ50万ドル上乗せ要求したって噂は本当なんでしょうかね(苦笑)

その腕は世界一といわれる凄腕のハッカーであるスタンリー(ヒュー・ジャックマン)は逮捕されてからはハッカー稼業を引退していたんですけど、謎の女ジンジャー(ハル・ベリー)に連れられて、これまた謎だらけの男であるガブリエル(ジョン・トラボルタ)の仕事を手伝うはめになります。
仕事の内容は、麻薬取締局が捜査に使用する資金が積もりに積もった95億ドル(!!)をハッキングして奪おうというもの。
ポルノ女優の元嫁にかわいい娘の親権を奪われているスタンリーは娘を取り返すために資金が必要なため、仕方なく仕事にとりかかります。
しかし、スタンリーも知らない、ガブリエルには更なる謎があり、ついには恐るべき陰謀に巻き込まれることになってしまうのでした。

冒頭、いきなり「狼たちの午後」について、タランティーノばりにグダグダと長い意見をのべるジョン・トラボルタから始まり、「この映画はなんなんだ?」と思っていると、ドーン!と銀行強盗のシーンが始まっちゃってました!という、このイントロダクションには、はっきり言ってやられましたね。
めちゃくちゃ引き込まれました!
そして、バレットタイムを使った爆発シーンがバーンとあって、物語は四日前に戻るわけです。
ワクワクしちゃうオープニングですねえ。

まず、ヒュー・ジャックマンが恰好いいです。男からみても恰好いい。これなら娘も頭のネジがはずれた母親よりも父親をとりますよ。だって友達に自慢できるし。
唯一の欠点は元受刑者ってことですが、いいじゃないですか、天才ハッカーなんて肩書きも頭良さそうで。
だけど、ハッカーってこんな高身長のイケメンいるんですかね。思いっきり偏見ですが、ケヴィン・スミスみたいなのしかいないのかと思ってました。ごめんなさい。

でも、この映画、ハッカーなんて出てくるから、ディスプレイ上でチマチマやるような映画なのかと思っていたら全然違って、テロリストが銀行襲うような豪腕な映画でしたよ。
確かに、ジョン・トラボルタが劇中で言うように、ミスデレクション(思い込みで相手に誤認させる)が重要なキーワードとなる、意外と頭を使う映画ではあるんです。
が、頭を使うのは観ているこちらであって、登場人物が頭脳を酷使することはなく、例えばヒュー・ジャックマンは肉体派のように描かれているんですよ。天才ハッカーなのに。
緻密な頭脳戦よりも、ド派手なカーチェイスや銃撃戦や爆発がメインの見処だったりするわけです。
カーチェイスと言えば、ジョン・トラボルタの車としてTVRタスカンが登場しますが、この車は「西部警察」の撮影で事故ったのと同車種ですね。

そして、ジョン・トラボルタ。非常に存在感を発揮しておりますよ。終始薄うすら笑いを浮かべて何を考えているのか分からない役をほぼ完璧に演じています。
このガブリエルというキャラクターは、頭も切れるし度胸もある正体不明の男という設定。強烈な愛国者であるらしいけれど掴みどころがない。そして危険。
危ないヤツとは分かっていてもあがなえない魅力を持ち、人心掌握能力に長けているんです。
本作の要となっているのは間違いなく、このガブリエルというキャラクターにつきますね。

ラストはどんでん返しがあるのですが、ちゃんと伏線がはってある親切仕様。最初からよく観ていればこんがらがる事はないと思います。ただ、ツッコミどころもあるって言えばあるので、完璧なシナリオと言い難いのも事実。

「アメリカにとっての正義」を茶化した締め方は好みでした。
ハッピーエンドなのか、それともアンハッピーエンドなのか?
映画を観た各々が、それぞれ自由に感じるべきなのかもしれません。
ちなみに、個人としてはハッピーエンドだと思いたいです。

あと、ジャケットだと、まるで「スニーカーズ」みたいにチームプレイする犯罪映画のような見えるかもしれませんが、全然違います。
そもそも、ドン・チードルは刑事役だし・・・


huluにて