てる

イエスマン “YES”は人生のパスワードのてるのレビュー・感想・評価

3.2
何もかも斜に構えたイヤァな男がYESという魔法の呪文で全てが良い方向に進んでいくという話し。
そんなに上手くいくもんかいなって思ってしまう。でも、心の持ちようで人は変われるっていうテーマだし、分かりやすくてよかったのかもしれない。
ジム・キャリー全開の作品だった。ジム・キャリーがまぁ、そりゃまぁ楽しそうだった。本気のジム・キャリーだった。この作品はジム・キャリーでなかったらこんなに話題になっていなかっただろう。このキャスティングはお見事だ。
本当の話を基に作られた話しだそうだけど、その割にはキレイに纏まりすぎてるように感じた。もっと人間臭かったり、もっと上手くいかなかったりすると思う。YESと言い始めて、上手くいかなかったのは、恋人との旅行のときくらいだ。きっともっと矛盾が生じたりするはずだ。そこに現実感がない。
まぁあくまで映画なので、その辺はファンタジーでいいんだろうけど。
否定されて気分が良い人はいないだろう。なので、どんなことでもYESと言えるのは、対人関係では悪くないのかもしれない。
ただ、それは受動的であって、能動的ではない。恋人との関係で受動的であり続けるのは難しい。それは相手が動き出さないと自分から動かないということだし、自分自身の意思の所在がわからないと、相手も不信に思う。
対人関係で、相手を否定するのはよくない。だが、自分の意思を伝えるのも大事だ。
そうでなければ、相手は自分のことを知らず、考えずに、良い様に利用されてしまう。さらに、主体性がなく、発言が少ない人間は何を考えているかわからないし、付き合っていてもつまらないので、距離を置きたくなってしまう。
大事なのは、お互いの意思を尊重し、気持ちを慮ることだ。だから何でもYESでもよくないし、NOでもよくない。そのバランスが大切なのだ。
そんな深いことを思いがけず、考えてしまうコメディ映画だった。疲れているときに観ると気持ちが上向きになること間違いない。たまには、こんな軽いヒューマンコメディを観てみるのもいいなと思った。
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