Aria

あらくれのAriaのレビュー・感想・評価

あらくれ(1957年製作の映画)
4.8
過去鑑賞

高峰秀子の強さがたまらなく癖になる傑作!
昔の凝り固まった世相が出ている作品
なのかなと思いきや、実は現代人も
作品に出てくるキャラクター達と殆ど
変わらないんじゃないかと思います。

そして美味しいとこ持っていく仲代さんが素敵!笑

田舎の庄屋の娘、お島が、親の勧めるままの結婚を拒絶して東京へ飛び出し、缶詰屋をしている男の後妻となる。

働き者で店のことを1番に考えているが、勝ち気すぎる性格から色んな事で夫と揉めに揉め、大喧嘩の末に家を飛び出します。

様々な所を転々としながらも
自分の道を自身で切り開いていく
主人公お島がとてもたくましいです。

あらくれというタイトルの通り
口は悪いし手も出ますし
決して品の良い人とは言えません。

ですが、お島は
生活の事をきちんと考えて
せっせと働きます。
夫以上に働きます。

缶詰屋の嫁で止まらず
きちんと店を切り盛りする。
旅館の主人の妾に甘んじず
自分で生計を立てる。
洋服屋の女将に留まらず
自分で営業をかけていく。

生きていくために
脇目も振らず猛進する。

この作品に出てくる殆どの人は
愛に関して節操がありません。
誰かしらが浮気をしたり
妾がいたり、と乱れています。
主人公お島も同じです。

人を愛せはすれど
愛に溺れる事はない。

パートナーや愛する人がいても
そこで腰は下ろさない。
自分の力で生きていく
生命力に溢れた女性。

こんな女性になりたいなと思います。
今でさえたくましい女性はいますが
お島程の人はそう多くは居ないと思います。

男性からみたら
お島はどう見えるのでしょうか。
たくましすぎて妻にはしたくない?
自分の威厳がなくなってしまうと思う?
お島についていけば安泰!と思う?

ラストのお島の潔さには
笑ってしまいました(笑)
Aria

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