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アメリカン・サイコのluのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

初めて見た作風で、80年代のアメリカをブラックに味わうことが出来た。
クリスチャン・ベイルの美しさは偉大で、その美しさで取り乱されると恐怖が増幅する。普段の端麗さが、殺人時には愉快に大変身。いつもは自分を完璧に仕上げ、自信を持って過ごしているのに、殺人行為に耽る時には無我夢中。あくまで美しさを重視した犯行ではないというのが、また恐怖を感じる。むしろ、殺人を行う瞬間を楽しむ為に、自分を綺麗に仕立てているのかもしれない。


この話のラストを理解するのに少しばかり時間が掛かった。本当に登場人物がややこしいのが醍醐味なのか、困惑のまま突き進んでいた。ピーク辺りから間接的であり直接的でもある、無機質な怖さを感じた。

終盤にパトリックが弁護士に電話で自白するシーン、稚拙な表現になるけれど、本当に圧倒された。ただただ凄かった。彼の全てが溢れ出て、助けを呼ぶかのように自らの罪をぶちまけたのに、待ち受けていたのは彼にとっては最悪の仕打ち。
ラストシーンは何度も見直した、理解したくて。ひたすら人を殺していくサイコキラーを描いたストーリーのオチで、あんなに深いものがあるとは思わなかった。自分も同じ様に、底のない穴に落とされた気分になった。

ラストのパトリックの台詞がどうにも頭から離れず、纏わりついている。考えれば考えるほど、右往左往してばかり。
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