爆裂BOX

悪魔の毒々パーティの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

悪魔の毒々パーティ(2008年製作の映画)
3.9
プロムに誘う相手が見つからないSF同好会の面々は憂さ晴らしに墓場へ肝試しに出掛けるが、近くの発電所の放射能の影響で蘇ったゾンビに襲われて…というストーリー。
邦題はトロマ映画のようですが、実際は一般公募で決まったタイトルでトロマとは何の関係もない青春ゾンビコメディです。
プロムの夜に発電所から漏れ出した放射能により誕生したゾンビに街を支配され、プロムに行けなった面々がサバイバルしながらプロム会場にいる人達を救おうとするという内容ですが、とにかく冒頭からテンポよく進んですぐゾンビが現れサバイバルに突入していきます。サエない負け犬オタクやはみ出し者の不良がゾンビに立ち向かい、活躍していく展開もボンクラにはグッとくるものがありますね。
登場人物もふざけてばかりで減らず口叩きまくって副会長の彼女に愛想つかされるボンクラ主人公や、誰にも相手されないから墓場に肝試しに向うSF同好会のオタク達、相手が体調不良でプロムに出れなかったチアリーダーなど皆キャラ立ってますし、初めはダメダメな感じだった面々がゾンビとの戦いの中で一皮むけていく姿も王道ながら楽しいですね。個人的にはチャラいけどロック魂見せつけるバンドの面々とミリタリーマニアの体育教師が結構好きですね。バンドの演奏シーンもカッコよかった。不良君のプロレスっぽい技でゾンビの体引きちぎったりする戦い方はゲームの「デッドライジング」思い出しました。
ゾンビは全力疾走したり普通に歩く者もいます。彼らが墓場からポンポン飛び出してくるシーンは勢い良すぎて笑った。飛び出してきてそのまま登場人物と並走してる奴もいるし(笑)後、主人公の車盗んでいく所も笑った(笑)音楽聞くと大人しくなるという本作独自の設定も面白いですね。これによってバンドメンバーが大活躍します。終盤でのゾンビ化したカップルがお互いの体喰いちぎるラブシーンも見物。
お食事シーンはハッキリ映さない所もありますが、胴体真っ二つにして下半身だけ逃げて行ったり、腕引きちぎって喉に突っ込んだり、脊髄付きで頭引き摺り出したり、頭部をバットで粉砕したり頭部を斧で縦割りしたりとしっかりと見せてくれます。カラッとしてて陰惨さがないのも本作のカラーにあってますね。
墓場からゾンビが出て迫ってくる所や全体の雰囲気は「バタリアン」っぽいですね。生首持ったゾンビが迫ってくる所は「死霊のしたたり」、終盤の登場人物の一人の死に様は「死霊のえじき」彷彿しました。最初と中盤と最後に登場する強すぎる謎の墓守が蘇ってくるゾンビ処理が日常的になってる感じは「デモンズ95」彷彿しました。
登場人物たちの会話やコメディ部分もクスッと出来て良かったですね。噛まれた不良とシンミリ別れた直後にゾンビ化した不良を皆でフルボッコにする切り替えの速さには笑いました(笑)
最後は「元凶の発電所に殴り込みに行くぜ!」と打ち切りマンガっぽい若干消化不良な終りだけど続編意識してるのかな?
青春ゾンビコメディとしては中々楽しめる佳作ですね。