敗者三部作を見終わってしまった。三作目にあたる本作は、今までとは少し毛色が違かった。
警備員として働くコイスティネンが主人公だ。同僚からは変な奴だと嫌われている。一人で淡々と仕事をこなし、タバコをふかす姿の哀愁がたまらない。
ある日カフェで休んでいると、ミルヤという女性に声をかけられ、デートをすることになる。コイスティネンのことが少し気になっているソーセージ屋のアイラにもデートした事を話すシーンが、真顔なのに内心ウキウキしている感じが分かり面白い。
しかし、ミルヤは裏稼業の組織のボスの愛人だった。ボスはコイスティネンが警備する宝石店を叩く為、鍵などを盗もうと企んでいた。そしてまんまと騙され、強盗幇助の容疑で服役することになってしまう。
今作はあまり笑いどころがなく、淡々と話が進んでいく。だけどやっぱり目が離せなくなってしまう中毒性があった。周りからの視線や淡々と進む感じはファスビンダーの「不安は魂を食いつくす」に似ているように感じた。
監督に関する本とかがあれば読みたいなあ。