アキ・カウリスマキ監督作品初鑑賞。
主人公、一見クールなキャラクターだが、かなり純粋な人物。
最初に女性と出会うシーンの演技が特に印象的。主人公は瞬きも身動きもせず、女性を凝視し続ける。そして、女性の誘い方を教えられると、すぐさま実践しまう。不器用で愛おしいキャラクターだった。
カウリスマキ監督の演出として、ほぼ正対する位置でのワンショットが面白かった。主観的なようで、全く違う絶妙なカメラの位置。切り返しがどことなくシュールで、特に主人公の振る舞いを強調していた。
さらに、一面をバッと照らす光の当て方で、まるで舞台を見ているような感覚になった。
2000年代とは思えない映像の質感と、タッチが軽めなストーリー、そして寒々としたフィンランドの風景がクセになる。良い作品だった。