Kuri

HOUSE ハウスのKuriのレビュー・感想・評価

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)
3.8
戦争を経て生き残った人と亡くなった人との繋がりと、それでも残る感情を描く。

大林監督デビュー作である今作と近年作とは同じことを言い続けていると、初めて映画館で見直して思いました。

生きている人=自分たちと、過ぎ去ってしまった人は等しく存在していて
互いにそれぞれを思いながら暮らしている世界。

40年前には軋轢と摩擦と笑いを込めて描いていたそんな世界を、近年はごく自然にありふれた景色に溶け込ませているように感じます。

最初から実験的な映像表現のつるべ打ちにはクラクラしてしまいますが、いつの間にやら引き込まれていて、自己満足には終わらない間口の広さに驚き
(それは好きな人しか見続けられない間口の狭さかもしれないけれど)。

世界で一人しかいない監督は、40年前からすでに世界で一人しかいない監督だったのです。
Kuri

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