doji

ウェンディ&ルーシーのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

ロードムービーとしてのオープニングからさっそく主人公は万引きでつかまってしまい、ルーシーともはなればなれになってしまう。すべてのトラブルの先にお金の問題が差し掛かり、みるみるうちに貧困の底へと落ちていく主人公の姿には胸が締め付けられながらも、どこかでじぶんもいつ同じことになってもおかしくないとも感じる。スーパーの店員が言う、犬を買う資格=お金だという現実が彼女を別れの決断に向かわせるラストには引き裂かれる思いがした。

とてもではないけれど映画的な話ではないのに、まったく飽きさせないのは編集や緩急のある演出であり、ミシェル・ウィリアムスの存在感でもある。息苦しいはずなのにどこかでやさしさを感じるのは、映画が目を向けることのない貧困へのまなざしを送り続けているからだろう。北へ向かう彼女の先を思わずにはいられないラストも良かった。
doji

doji