みかんぼうや

ウェンディ&ルーシーのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)
3.5
「ミークス・カットオフ」が面白くて気になったケリー・ライカート監督の作品3本目。自由の国アメリカの世知辛い側面。踏んだり蹴ったりな状況に置かれる主人公ウェンディと愛犬ルーシーの物語。

ライカート監督らしい淡々と静かに進む物語は、厳しい現実の中に、ちょっとした人の温かさを感じつつも、やはり現実はそう甘くはない。これまで観た「ミークス・カットオフ」や「ファースト・カウ」と比べると、より身近な現代社会での生活が舞台で、淡々とした描写から醸し出されるどこか暗く切ない雰囲気は、ダルデンヌ兄弟の作品に印象が近かったです。

面白い作品でしたが、先に観た2作と比べると、設定自体はこじんまりとしていてユニークさに欠ける分、若干物足りなさがあったのも正直なところでした。ミシェル・ウィリアムスとルーシー役の犬の演技は素晴らしかったです。
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