シミステツ

パリ、テキサスのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

4年間失踪し記憶を失った男トラヴィスとその弟ウォルト。トラヴィスはテキサス州パリの荒野に持つ土地へ向かおうとしていた。パリって言われるとフランスだよねという。長年会っていないためトラヴィスの息子・ハンターはウォルトを父だと思っている。学校帰り迎えに行っても取り合ってくれなかったり。それでも8mmフィルムに残っていた家族の姿。前半はトラヴィスが記憶を取り戻し息子と再会、絆を取り戻すまでが描かれる。もっと威厳を持ってって家政婦さんに指導されるシーンとその後のトラヴィスとハンターの道路越しの学校の帰り道好き。


「死んだって感じる?」
「どういうこと?」
「その人が話したり歩いてたのを覚えてる?それでも死んだって感じる?」
「時々はね 死んだと分かってるから」
「僕は一度も感じなかった パパはどこかで話したり歩いてると感じてた ママのこともそう感じる」

生きていると願うこと。心の中に感じること。

後半からは家族のあり方や行方不明のジェーンを探すことが主題に。
ハンターを失うことを怖がるウォルトの妻・アン。
トラヴィスの妻・ジェーンはハンターを預けることにしたという。ジェーンの居場所の手がかりはハンターの口座。ハンターの将来のために定期的に振り込んでいるという。

「一緒に行きたい 僕もママを見つけたい 出発はいつ?」
「今さ」
「行こう 出発だ」

「カリフォルニアからヒューストンまで光速で3秒」
トランシーバーで会話するシーンも好き

妻を追いかけるシーン、あらゆる映画のカーチェイスの中で一番いい。
風俗で働いていたジェーンとの再会。向こうからは見えないけどこちらから見えるという辛さ。嫉妬と後悔にまみれた愛の物語。1520号。

「君と話がしたい」