もっと長閑なロードムービーを想像していたけれど、親子の絆、夫婦の愛、兄弟と義妹の関係……いろんな人間関係とロードトリップが重なり合って少しずつ反応を起こし始める、みたいなかんじでおもしろかったな。人生のさまざまな岐路で、自身の感情をうまくコントロールできずに傷つけ合って疲弊してしまったトラヴィスとアン。最初のうちは好きだからこそ傷ついたときにそばにいてほしかっただけなのに、一緒にいたからこそ傷つけ合うようになってしまうのは世の常。だけれど、そんな光景は何度見ても悲しいしさみしいし、でも一度でもそうやって一緒にやっていけるという夢を見れたことの尊さや絆も感じて、なんだかうらやましさも感じた。
時折かきならされる、ギターの音色も効いている。90年代のモーテルやダイナー、花柄の壁紙のおうち、みたいなわたしの好きなモチーフたくさんなのも最高◎
