開始直後は「なんやねん！このおっさん！このまま喋らなかったら観続けられる訳がない！」と、思ってましたが...
意外と話すのよね、どーでもいいことを。
表情が全てを物語り、風景が色をつける...
感情は爆発しないけれど、滲み出る...
盛り上がりはないのに、惹きつけられる...
オトコとオンナが互いを激しく欲し、独占しようとしたところで、心のバランスを崩してしまった、というよくありそうな話なのに、この二人は、それに輪をかけてタチが悪い。
子供を置いて逃げ、男に至っては4年間の記憶がない(と、言い張る)。
徐々に男の空白の4年間の謎が解けるかと思いきや... 解けません。笑
どんな辛い心情を吐露するのかと思いきや... しません。笑
しかし、オトコは鏡ごしに【淡々と】自分が彼女と過ごした日々の、想いの変化を告げるのです。
それまでのシーンと打って変わって、画面から色が消えるのに、男の人間らしさが一番滲み出ているのが不思議。
普通に考えれば、子供染みた恋愛をし、育児放棄をした、ダメな男女の話なのだけど、それ以上の【何か】があったのではないか、と観客に想像・感情移入させるロードムービー。
撮り方が絶妙！
