冒頭のシーン。
そうか、そうだったんだ、と繋がった時、ブッチの表情を何度も見直した。
ザックリ言うと、脱獄犯が子供を連れて逃避行、となるのだが、主人公ブッチ(ケビン・コスナー)は、ドンドン、坂を転がる石ころの様に、破滅へと向かって行く。
それを見ているフィリップは、なぜかそんなブッチを慕うように後を付いて行くが、ここを「なんで?」と突っ込む向きもあろうが、子供ってそうじゃない?なんだか、よくわからないウチにそうなんだよ。芥川の短編「トロッコ」がそうでした。
レッド(クリント・イーストウッド)は、テキサスの頑固オヤジと思いきや、実はブッチに対しある思い入れと責任感を持っている。なんとか彼を止めたい、という願いも虚しく・・・
イーストウッドが警官役なのに、一発も撃たないんだよ。なのにこの作品、イーストウッド監督の作品の中でもかなり爪痕を残す。
全然関係ないんだろうけど、20年前から進んでいない道路工事の場面で、「暴力脱獄」を思い出したが、あれはなんらかのオマージュなのか?
だとすると、ラストのブッチのあの顔には大いに納得させられる。