チャチャのパパ

オッペンハイマーのチャチャのパパのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.5
それでもやっぱり、市民の大量虐殺なんだよ。戦時国際法違反に違いないんだ。

アカデミー賞の色んな賞を獲得したんだっていうし、クリストファー・ノーラン監督だし、で観たくなるのだが、日本人としてこの映画はどう向き合えば良いのだろう?

登場人物が多い。ボーアとかアインシュタインとかは何とかどんな人なのか分かるけど、他の要人知らないし、誰と誰がどういう関係性なのか?が最初分からないが、それでも「ああ、ロバート・ダウニー・Jrがなんか悪い事企んでて、政治に疎いオッペンハイマーはまんまとハメられる。

モノクロはストロースの目線での公聴会の様子が描かれ、カラーのオッペンハイマーの目線では、聴聞会と過去の回想が。三面の時系列が次々と現れて、見ているモノを混乱させるのは、いつものノーラン監督なので、これは一回見て理解できる訳ないな。

原爆という、日本人には非常にセンシティブなモノを扱っていなければ、これは傑作なんだろ。でも、やはり原爆投下を決定する件とか、オッペンハイマーが署名しないとことか、覚めた目で見てしまうし、爆心地の当時の写真なんていくらでもあるだろうに、それは出さないんだ、というのはやはりアメリカの映画だな!って怒りさえ湧いてくる。

あんな実験を自ら目の当たりにして、どうして普通の人しか住んでない都市に落とす決定ができる?予想される犠牲者が4〜5,000人?お前ふざけんな!

結局のところ、アメリカはあの原爆投下を全く反省はしてないんだろうな。パワーゲームのジョーカーとしてしか考えてない。唯一、オッペンハイマーに共感できたのはそこだけ。或いは自身の功績を守りたかっただけなのかもしれないけど。

ノーラン監督たがら後2回くらい見なきゃ分かんないだろうけど、ムカつくからもう観ない!