ベビーパウダー山崎

ワンダーアーム・ストーリーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

3.5
ゴミみたいな町でゴミ収集の仕事をしているゴミ以下のスタンダップコメディアンの背中に三本目の手が生えたことによって奇人変人として注目されていく。ショービジネスの世界でうまく行きかけた矢先に三本目の手は消え、相棒は去り恋人にも逃げられ、またゴミの日々。ダメな奴はなにをやっても所詮はダメなんだ…と絶望的な気持ちにはなるが、その数奇な体験を場末の舞台でボソボソと語る姿に客席から初めて笑いが起きるラストがやけに感動的で、これで何もかも救われたとは思わないが、これぐらいの希望がないと人は狂うか死んでしまうし、大抵の人にとって人生は地獄だがあなたを認めてくれる居場所は確かに必ずどこかにあるはず(それがゴミ溜めだったとしても…)。
社会的弱者に寄り添う「映画」ってこういう作品だと俺は思いますけどね。アダム・リフキンはいつかきっと日本でも再評価される作家だと俺は信じている。