ベビーパウダー山崎

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

2.5
タラ坊と蜜月関係だったはずのワインスタインへの形だけのふわっとした批判。現代的な流れに目配せしながら、これまでも「女性が強い映画を撮ってきた」みたいな、さもこの作家は元から女性の味方であるかのように描かれていたが、その崇め祀る女性を暴力的に血みどろにして徹底的に痛めつける悦びも確かにあるのがタラ坊映画なわけで、所詮は良くも悪くも映画のなか(フィクション)で学び育った価値観(倫理観)しかない作家。
マイケル・マドセンとティム・ロスのレザボア時代から付き合いがある役者のインタビューは良かった。映画作りというより、タラ坊の映画ごっこに混ざり、一緒に遊んでいるような感覚に近いんじゃないかな。そのたんなるキチガイオタクの妄想、自由な表現を最大限に許して、大金注ぎ込んで世界的な作家にしたのもワインスタインなわけで、他の制作会社だったら、がんじがらめにされ、いまごろテレビドラマの何話かを監督して食いつなぐ一発屋で終わっていたと思う。U-NEXT770円。