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マッチ売りの少女のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

マッチ売りの少女(1928年製作の映画)
3.7
ルノワールの前衛的な解釈がおもしろい。儚い話なのに、サイレントの劇伴にロックやテクノっぽく聞こえるものも採用。後から入れたものだろうが、よく合っている。

マッチを擦って見る幻影がかなり不気味で、光の当て方やマネキンの動きなど、ダークだった。

何より少女が娘を通り越し熟女にしか見えない。舞台劇にあいそうなコミカルな動きをする。ルノワールっぽいと思ったところは「少女」の表情が豊かなこと。

内容はかなりシュール。死神と騎士との馬での追いかけは、モノクロが生かされた大胆な構図で、背景から切り抜かれ、アニメーションのようにも見えた。

1928年、ルノワール34歳の作品、斬新です。

❄️leylaさん、ありがとうございました。大人のアンデルセンでした。ルノワールが初期にこういう作風でつくっていたとは新鮮でした。
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