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第三の男のnamのレビュー・感想・評価

第三の男(1949年製作の映画)
3.9
「光と影、理想と現実を描く名作サスペンス」

名作として名前が上がる事の多い1949年の作品。
第二次世界大戦後のオーストリアを舞台にアメリカきら来た作家が親友の死の謎の真相を探るサスペンス。そこで浮上する謎の第三の男。


光と影を美しく捉えた映像美は素晴らしく、暗闇が登場するオーソン・ウェルズのシーンなど素晴らしい。そして映画史に残る悪役のカリスマ性。ただの悪ではない信念を持つ悪役で後にダークナイトのジョーカーにも繋がるような善と悪を問いかけてくるような魅力がある。

登場シーンは少ないものの主役より印象が強く、ヒロインが最後まで彼を愛し続けてしまうのも説得力のあるカッコよさがたしかにあった。

サスペンスとしても表面上の流れも徐々に面白かったものの、戦後の背景を踏まえると単純な勧善懲悪とも言えない深さもある。戦争で大量の虐殺をしてした国々。理想ばかり語っていられないそんな修羅場をくぐってきたからこそのオーソン・ウェルズの言葉には不思議と説得力がありました。

さすが映画史に残るクオリティ。
サスペンスながら重くなりすぎない日本ではヱビスビールのテーマソングでお馴染みの音楽の影響は強い。
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