はる

息もできないのはるのレビュー・感想・評価

息もできない(2008年製作の映画)
5.0
ツマンナイ映画を観た後は湯水のように悪口が湧いてくるモンですけど、こういう内臓を鷲掴みにされるような良い映画を観てしまうと何から話したらいいか分からなくなっちゃうんですよね〜前々から観ようと思ってた『息もできない』ですけど、ここ最近で観た映画の中でダントツに良かったです。
劇中を暴力と汚い言葉が埋め尽くしてる映画って大体面白い映画だと思うんですよ、スカーフェイスとかアウトレイジとかね。この映画もそうですよ。暴力まみれで口の悪い主人公のチンピラ、サンフンがこれまた口の悪い女子高生のヨニと出逢って友情が芽生えていくというお話です。
暴力まみれと言いましたが、コミカルなシーンも沢山あって、ほっこりしたかと思えば、最悪に胸糞悪い暴力シーンが続いたりもします。緩急つけてくるんですよ〜ズルいですよねぇ。
この映画のテーマ、暴力そして家族ですよね。正直チンピラがたまにやってきてボコしてくるくらいの暴力は全然マシですよ。それよりも、家族から放たれる暴力が一番怖い。逃げられないですからね。サンフンが暴力に満ち満ちているのは、それしか知らずに育ってきたからなんでしょうね。だから暴力シーンが多いのは当然なんですよね。
ほとんど表情を変える事の無いサンフンですが、唯一、いや正確には2回ありますね。ヨニに対して笑顔と泣き顔を見せるシーンがありますが、アレはやられてしまいますね。どちらも思わず目頭が熱くなりました。あと、父親をおぶって病院に走るシーン、アレもまた泣いてしまいました。
サンフンを演じたヤンイクチュンさん。観終わった後に監督脚本もやってる事を知ってビックリ。この人イイですよね〜いい感じにベビーフェイスなんですよね。
余韻にまだ浸ってて上手い事まとまらないのでこの辺でやめときます。イャア素晴らしい映画でした。
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