らんらん

風の武士のらんらんのレビュー・感想・評価

風の武士(1964年製作の映画)
3.0
平家の末裔が隠れ住む秘境やすらいの里、そこでは数百年に及び砂金を蓄えているらしく、それを知った紀州藩、さらには幕府までが公儀隠密をたて、その金を奪おうと画策する、、、

その公儀隠密に指名される男が大川橋蔵、もともと忍者の末裔の家系ではあったが今は太平の世、次男坊で色男なのもあって気軽に複数の女とイチャイチャ楽しく暮らしていた中での突然の変化
メインヒロインは桜町弘子、冒頭では橋蔵を好きながらもその浮気に嫉妬する彼女の一人として登場
だがその正体は平家の隠れ里のお姫様、しかも実はお互い本気で惚れあっていたみたいな関係
その桜町に恋慕する同郷の男に大木実、橋蔵とは剣術道場の同門でもある、ライバル意識からなにかと張り合う、ずるがしこいキャラで何かと裏切るw 一応メインの悪役
あとは公儀隠密役で南原宏治と中原早苗が出演、共に濃くてアクの強い生々しいキャラクター、仲間でもあり敵でもあるみたいな油断の出来ない存在

1964年というと東映時代劇もかなり晩年の作品の一つですね
個人的にはあまり面白くないと思うし、好きじゃないですね
冒頭ではそれまでの東映時代劇娯楽作品っぽく入るんだけど、その後は一転してシリアス、生々しい描写が増える
ラストにしてもなんだそりゃ?みたいな感じ、ヒロインが桜町弘子ってのがダメなのかなぁ
冒頭のいつものような桜町弘子はすごい好き!でもそれ以後のシリアス調の桜町弘子になると魅力が減る、言っちゃなんだけど荷が重い気がする、もっと軽い役が似合う女優さんなイメージ

あと!この作品が野際陽子銀幕デビュー作っぽい
登場シーンは冒頭しかない、主人公である橋蔵の義理の姉(兄の嫁)役です、当然今まで見た中で一番若い野際陽子、当時の人妻メイク姿なのもあり言われてもこれ野際陽子なの?って印象、デビューにしては意外なポジションかも、久保菜穂子と役チェンジで見たかったかも

相変わらず大川橋蔵はイイ男!なんですが、それだけじゃつらい、お話があまり面白くありません、東映時代劇晩年だなーって印象だけ残った
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