みなりんすきー

プレッジのみなりんすきーのレビュー・感想・評価

プレッジ(2001年製作の映画)
3.7
ショーン・ペン監督、ジャック・ニコルソン主演という豪華タッグにも関わらず今までスルーしてました…TSUTAYAでふと目につき、迷わずレンタル。
ジャック・ニコルソンの圧巻の演技力は前々からよく知っていますが、そこにショーン・ペンの深く重い、まるで底の無い真っ暗な世界に放ってくるような描き方が重なり、冒頭から心を鷲掴みにされ、ラストまで目が離せなかった。
定年を迎え、警官を引退することになったジェリー(ジャック・ニコルソン)。引退パーティーも開かれ賑やかな雰囲気の中、引退まであと6時間というところで、一報が飛び込む。雪の積もる林の中で、1人の少女が無残にも暴行、殺害されたのだった。
最後の任務だと思い現場へ向かうジェリー。あまりにも凄惨な事件に、若い警官達は少女の両親に伝えることを渋った。そこでジェリーがその役を買い、両親の元へ。
嘆き悲しむ少女の母親は、ひとつの十字架を手にしてジェリーに言った。「あの子が作った十字架よ。約束して。魂にかけて、犯人を捕まえると、誓って。」その言葉の重みを全身で感じ取ったジェリーは一瞬躊躇うが、やがて頷いた。「誓います。犯人を必ず捕まえると、約束します。」
すぐに目撃証言とも一致する犯人らしき男が捕らえられるが、取り調べの直後警官から銃を奪い自殺してしまう。
ジェリーは自殺した男が犯人だとは思えなかった。"真犯人を捕まえる"。約束を胸に、過去の似たような事件を洗い出し、少しずつ真相に迫っていくが…

サスペンス映画であることに間違いはありませんが、ただ真犯人を追っていく映画だと思って観ると、少々腑に落ちず不完全燃焼で終わる可能性があります。観終わったあとは、なんとも言えぬ気持ちの悪さが残りました。だけどそれはマイナス評価ではなく、それだけ精神に訴えかけてくるものがあったから。
彼はあの約束によって、少しずつ運命を変えられていくことになったのです。約束ひとつで、人生を変えられた、そんな1人の男性の物語。信念でもあるが、周りから見るとそれは異常な執着を見せる奇妙な振る舞い。

観終えたあとに、彼の人生に何を感じたか。それだけがこの映画の全てだと思いました。