つかれぐま

ディパーテッドのつかれぐまのレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
-
マフィアに潜入する警官。
そのマフィアに育てられたもう一人の警官。交差しそうでしないこの2本の線に加えて「第3の線」が浮上し・・。

スコセッシがその作家性を封印、職人技に徹した極上のジャンル映画。スコセッシらしいか?と言われれば議論の分かれるところだが、娯楽映画として完成度高いのは流石。

オリジナルの香港版から(タランティーノが好きそうな)義理人情要素を排除し、逆に米警察の二重構造(州警察とFBI)を織り込んだ、ドライでアメリカ的な改編が成功。ボス・コステロの裏切りを「利用」して、マット・デイモンを「自分に嘘をつかなかった男」としてヒロイックに描くとことはいくらでもできただろうに、それをせず彼も所詮ワン・オブ・クソ野郎と貶めて終わる。ここはスコセッシらしさを堪能した。

男臭さも変わらず。
そのせいか、彼女の扱いがちょっと気の毒かなと思ったが、よく考えれば彼女も二股かけていたわけで自業自得かな。