ペルシャ猫

ファイブスター物語(ストーリーズ)のペルシャ猫のネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

地味にずっと漫画が気になってて、絶賛金欠貧乏学生ライフを送っている身としてはおずおずとしながら様子見をしたいところ。

そんな中、あの独特な世界観に色や音、動き、息が吹き込まれていたことを知り、手を出してみた。

私の少ない知識で情報を整理すると、、、
時代は今よりもうんと未来のどこかの世界線の話、たくさんの星々が交流をしている宇宙規模のストーリー、そこで紡がれていく歴史。戦闘機である巨大ロボットを操縦するためには男女のペアで乗り込まなくてはならず、ファティマという人間でありながら知能も身体能力も超高性能女性ロボットが男性パイロットであるヘッドライナーの補助を行うという設定。ファティマはマスターとなるヘッドライナーをお披露目会で選ぶことができ、嫁ぐ形で結ばれる。

正直、60分があっという間に感じられた。
原作がかなり緻密で複雑な設定であるから、作品のルールを頭に叩き込むのに忙しかったってこともあるけど、ストーリー自体がベタでありながらも一周回って新鮮に感じられた。私自身、メカ系はせいぜいエヴァ、エウレカ、ガンダム(1作目)しか観たことがなかったけど、古臭さを上回る魅力を感じた。やはり、漫画にも手を出すべきか。

作者の性癖が全開の作品だけれど、それに付き合ってやろうじゃないか、と思えるほど愛着が湧く作品だった。
みんなびっくりするぐらい体が細くてまつ毛バッサバサ、髪ワッサワサで服もかなり変わったデザインだが笑、全部まとめて好き。

男女とも基本的に顔も細くて、いやらしい男たちはとことんいやらしくて、人が思いの外死ぬし、殺されるシーンは北斗の拳を彷彿とさせる容赦のなさと流血シーン。

本来ならば、女性の権利が全然保障されてなくて好き放題虐げられるような設定に嫌悪感を感じるタチであるが、作品自体がそれを認識し、そんな世界の中でも本人にとって1番幸せに感じれるようなとこに着地できるようにみんなが協力する姿勢に好感を持てた。
意を決した主人公ソープがお披露目会に乗り込み、手を広げながら”ラキシス!おいで!!”って叫ぶシーンはかっこよかった。そしてモーターヘッドに乗り込んだラキシスの淡々と仕事をこなす冷静さと正確さを兼ね備えたデキる女感もみていて気持ちよかった。

色々と分からないことがあって知りたいことは多いけれど、そんな状態の中でも十分に楽しめた作品。