ペルシャ猫

秘密の森の、その向こうのペルシャ猫のネタバレレビュー・内容・結末

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

原題petite maman なのか笑笑
全然ニュアンス違うし原題の方が好きです。このままでも伝わったんじゃないのか。

父の一周忌で気が狂いそうになったので駆け込み寺感覚で家から飛び出して当日券をその場で購入。

私が期待していた”死”への切り口が違った。正直、物足りないと感じた。

8歳の主人公も、8歳に戻った母親(petit maman)も、年齢相応とは思えない落ち着きっぷり。
主人公がpetite maman に祖母(petite mamanの母親)が最近亡くなったことを機にお母さんが突然姿を消したことを伝えた際に、petite mamanの”あなたのせいじゃない。それは私の問題。”みたいな返し方で、ちょっと冷めてしまった。

あくまでも、”視覚的に美しくてゆっくりと揺蕩う時間軸の中で織りなす子供たちの穏やかな心の交流”みたいな、うーん、なんて言えばいいのだろう、死や喪失感の扱い方が甘いというか、結局”オシャレな映画”にしたいだけかい?って思ってしまった。

[燃ゆる女の肖像]だと、画家との恋愛模様を描いたストーリーだったので、映画館の観客はまるで美術作品を鑑賞するような、そんなことを意識したカメラワークや、デザイン性に特化した舞台に違和感がなかった。むしろ、それがあってこそ、完成されていた。[petite maman]も同じ監督ということで、今回の映画は”あーこういうことがしたいんだね”ってメッセージよりも意図が先に出てきて、観ている方としては世界観に没入できなくてちょっとキツかった。

やり場のない悲しみや親との最期の過ごし方でたくさん後悔を抱え込んだ状態で劇場に足を踏み入れたので、intenseな感じを期待してたらそうでもなかった、という感想です。


※成仏レビュー