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ファイト・クラブのvizilakeのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0
命の平等性、それを妨げる豊さ、物欲の不幸せ、無意味な人間関係、そして虚しさ 孤独感、その他諸々。。。。
殴られるということは確かに【生】を感じる究極の方法のように思える。。
痛みは生きていなければ感じないし殴られる事は他人からしか行われない(基本的には)、、孤独で無いことの証明だ。。
多分【感情】は死んでも存在するはずだ。。
ストーリーの過激さ、バイオレンスな映像美、根底にある娯楽性 ユーモアが素晴らしすぎる大傑作だ。。
そして、何よりも素晴らしく感じたのはニヒルなメタフィクションだ。。
映像でユーモア的に描かれるメタフィクションの素晴らしさも勿論ある。。
しかし、現実が証明するメタフィクションが何とも面白い。。
世直しのために破壊する、、
行き過ぎた信念で全てを削ぎ落とすタイラー・ダーデンを生み出したデビッド・フィンチャー監督はこの映画で大層儲けたはずだ。。
決して揚げ足を取ろうなんて事は一切考えていない。。
自己表現であったり社会へのメッセージであったりするわけだが、映画として発表している以上は【ビジネス】なのだ。。
この映画の成功は何よりも『ファイトクラブ』の否定となり、監督自身の否定ともなるのだ。。
「所詮これは映画だから。。でも、大切なことを伝えているのだから頭の片隅に置いておいてね。。」と言われているように感じた。。
現実が証明するメタフィクションなのだ。。
しかし、生ぬるく伝えられても頭の片隅にも残らない。。
少々手荒く伝えないという残らないでしょ?
だからフィクションであり娯楽である『ファイトクラブ』は過激である必要があるのだ。。
伝えたことが相手に1%しか伝わらないのなら、、こっちが10000%伝えれば相手にも100%伝わるのだ。。
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