nana

誰も知らないのnanaのレビュー・感想・評価

誰も知らない(2004年製作の映画)
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実際にあったというネグレクトの事件を基にした作品。

兄弟たちの長男であり主役という立ち位置の柳楽君がやっぱり凄い存在感。
カンヌの男優賞を史上最年少で…!
でも兄弟全員凄いです。次男とか特に。
有名な是枝監督独特の子役演出法の賜物なのかな。

お母さんが根っからの悪で、悪意があって子供たちのことを心底どうでもいいと思ってのネグレクトじゃなかったのがまたキツい。
愛していないわけじゃない、でも決定的に彼女には「責任」というものが欠けていた。

親子が楽しく暮らしていたはずの部屋がどんどん変わっていく様子がまた余計厳しくて、実際のネグレクトの現場を見たことはないけど、あぁきっとこんな風になってしまうんだろうなってリアルに感じました。
ちょっとした小道具とか、美術も凄く印象的です。

いくらなんでも、こんなにまわりの大人がこの兄弟たちの生活環境をほとんど不審に思わなかったり、ほっといたりするか?
コンビニの兄ちゃんの援助描写はあったけど…
とはいえ実際にあった事件を基に描いてると言われると、こうなってしまうのかもしれないなって思ってしまう。
自分は彼等に手を差し伸べることができるのか。

誰も知らなかったのか?誰も知ろうとしなかったのか?
nana

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