ピンフまんがん

気狂いピエロのピンフまんがんのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
4.0
この映画、確かにわけのわからないシーンに満ち溢れています。しかし、全くダレることはありませんでした。それどころか、ただひらすら食い入るように見つめていました。いろんな意味でゴダール節満載ではありますが、本編はわりとわかりやすい部類ではなかったかと(苦笑)。まあいろんな解釈があるでしょう。アメリカ社会に対しての(特にベトナム戦争あたりの)皮肉というのも確かにそうでしょうし、男女の発想のもつれを表しているのも、この頃のゴダールってそういう時期だったこともあってそんなことを表しているのでしょう。ひたすら妄想劇に終始しており、それがここまで心地のいい表現ができるのかと感心してしまいます。ゴダール作品ってどれもそうですが、わけわかんなくても飽きることはありません。個人的には、もっと純粋に、生きていることを実感させてくれる内容の作品のように感じました。人間忙しくなるとそんなこと忘れてしまいがちで、人生追い込まれたり、自殺願望のある人には一度見て貰いたい映画です。そいやサミュエル・フラーも出ていますがなかなか重要な役割をしています。そしてアンナ・カリーナは本当にこの頃は輝いており、カリスマ性溢れる女優さんですね。