カトキチ

気狂いピエロのカトキチのレビュー・感想・評価

気狂いピエロ(1965年製作の映画)
5.0
タランティーノに先駆けたサンプリングムービー。セリフの数々や唐突に差し込まれるポエムのようなものもさることながら、ジャンル――――アクション、バイオレンス、ミュージカル、メロドラマ、ロードムービーのごった煮と言われ、ラストカットは『山椒大夫』をそのまんまやってみたり、色調はバンドデシネの原色感みたいなものを再現し続ける。引用に次ぐ、引用の映画。唐突に人が死に、何の説明もなく死体が転がったりするが、それですら「あれは画面に赤い色を出したかったんだよ」といかにも芸術家な返答があったり、実際主役を演じた二人も「何を撮ってるのかわからん」と言っていたりするつかみどころのない作品だが、それでも人を惹き付けてやまない。一応ゴダールの最高傑作に位置づけられている。
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