ま

21グラムのまのネタバレレビュー・内容・結末

21グラム(2003年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

イニャリトゥ監督の作品「バードマン」が大好きで、次の「レヴェナント」を全裸待機してる身なのでとりあえず待ちきれず「21g」を見た。
ほあぁーっ...(・ω・)って感じ。
うーん何と言ったらいいのか。とにかくタイトルの21gは軽いけど物語のテイストやテーマは暗く重い。
何度も見たくなるような作品ではない、し、どう感想言ったらいいかも良く分かんない。
これって多分「ブリッジ」見た時の気持ちに近いものがある。
軽はずみに感想を言えない映画。

「人生は山あり谷ありで時として残酷」ってテーマを突きつけられると何も言えなくなってしまう。
多分どうしようもないほど自分でもその真実が分かっているし、理解したところでそれに対処することも曲げることもできないこともまた十分に分かっていて、無力さを感じてしまうからだと思う。
「死」は誰にでも等しく訪れる割には「どういった死に方」でっていうオプションは選べないからきついよねって思う(´・ω・`)
どれだけ善行を積もうが平凡に生きてようが神に祈ろうが起こって欲しくない事は起こるし、死にたくない死んでほしくない人は死んでいくし。

時系列がカラカラ入れかわり三人の人生が複雑に絡み合っていく。
どれが誰のせいで、どれが誰のおかげで?って事が分かりづらい作りになっておりそのグレーさがとてもいい。
またどの選択がどの結果に繋がるか明確には分からないって作りも凄くフェアでいい。
皆等しく誰かを傷つけており、またそれと同じくらい誰かの力になってるって事が伝わってきた。
事故が起きなければナオミは家族を失うことも無かったけどショーンは心臓病で死んでいた。
凄く象徴的なのが最後に生まれてくる赤ちゃん。
デルトロが運よく車をクジで手に入れた事から始まったこの物語は様々な人生の時系列をカラカラ転がりながら一つの生命の誕生に繋がっていくって作りが良い。

しかし重いおおお(>_<)ヒャーッ
今晩は明るい映画見るっ!(笑)

良い映画と好きな映画って違うなあって思う。
私は断然「バードマン」の方が好き。
あれはここまでねっとりと絡みついてくる「死」の影が無くてテーマは別のところにあったから。
やはり「つらい現実教えてやんよ!」ってナイフ刺してくる映画よりも「つらい現実脱却してみせてやんよ!」ってナイフぶん回してる系映画の方が元気が出るから好きだな(´・ω・`)
好みの問題ですね。

あ、てかキャストが全員良かった!
ナオミワッツのあのか細い薄幸感凄く良い。
何かの衝撃で消えてしまいそう感。さすが。
ショーンペンは「アイアムサム」とかしか見た事ないけど演技凄いなあ。オールバックじゃない時のがかっこいい(笑)
そしてベネチオデルトロ!!!!!!
なーいす!なーいすジト目!
ジト目?いや死んだ魚の目に近い。
彼の場合死んだ目の裏側に重たい人生背負ってる感があるから良い。こ、この人絶対波乱万丈な人生生きてきたな・・・っていう。
そして時たま死んだ目に光が差してギラつくところが良いっ。
刑務所での神父さんとの言い争いのシーン。
あそこの爛々と目を光らせた演技最高。
因みに私の中での二大目が死んでる役者はジェフリーラッシュとデルトロ先生です。
「ボーダーライン」はよっ(>_<)ウオオッ

とても良い映画ですがずんっと心臓に来る映画。
ま