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すばらしき世界のまのネタバレレビュー・内容・結末

すばらしき世界(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

自分がちょうど今担当している仕事と凄く関わりのある内容だったので、楽しむ一方でよそ事じゃないというか、なぁるほど…という気持ちで勉強させてもらっているような感覚だった笑
本作の終わり方については、何となく個人的にはしっくりこなかったけど、でも妙に後にひく感覚で、先日原作の身分帳を買って読み始めてみた。まだ半分もいってない。

何となく言葉としての更生保護がこの映画のおかげで1人の人間の形で血肉を持ったという感覚。
生きづらさを生きること、帰住先が無く受け皿が無い中再犯を繰り返してしまうこと、その立ち直りの力が地域の人たちに任されていること、とか色んな今の現状が凝縮されているなかで、こんなにも周りの人が積極的にあたたかく向きあってくれるのかと凄くびっくりした。

あまり波風の無いごくごく一般的な自分自身でさえも、この四半世紀人と人との関わりというものの難しさや暖かさを身を以て体験してきたということもあって、凄く共感させられるところもあった。
特に、介護ホームの面々との会話。
あれはそこらじゅうにあるやつ。
やっぱり自分もああいうの本当に嫌い、関わりたくないけどコミュニティーに入るためには良い距離感というか塩梅を掴まなきゃいけないというか。
迎合して見てみぬふりをすることがおとなになることで、これが社会性なのか、ということに落胆した経験もあるから。
自分の中の良いと思ってたこと、優しさだと思ってた気持ちが、必ずしも社会の中で通用しない齟齬というかズレ感という意味では少しだけ、程度は全然違うけど三上の思うところ、ぎこちなさも分かった。

というより役所さんが本当に本当にすごかった…。
個人的には、六角さんとかに逆ギレするシーンが、下からまくるようなガンの付け方で。
地元のヤンキー皆こんなだった!っていう、凄いあんななのにコスさもあって。
いそう!この人この世界のどっかにいそう!感が凄かった。
あと、介護ホームのはさみのシーン。
あの特段大振りなことや際立ったことしてないのに鬼気迫る感じとか。
全部が全部凄かった。

この映画の何がここまでずっとあとを引いているのか。
少なくとも役所さんのこと考えちゃうからってのが大きいのかも。
でもそれも、三上というキャラを立ち上がらせたそもそもこの映画という話でもあり。
まだちょっと抜け出せない。
ま