cyberiancorgi

ワールド・アパートメント・ホラーのcyberiancorgiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1.日本人は白人だ
2.悪魔に国籍はない
3.このアパートにはもうアジアもニッポンもアリマセン
4.あの辺のネズミはバルサンじゃ死なねーよう
人種も宗教も因縁も、垣根を超えて人と人が手を組む理由があるとするならば、ただ同じ場所で暮らしているから、で良いんじゃないか。つまりワールドアパートメントホラーはウィーアーザワールド。終わってみればシンプルに平和を目指した話だったし、平和ボケた話でもあるし、平和じゃない話かも知れない。
図らずもヤクザの斜陽の瞬間(?)をホラー(?)として切り取っちゃった作品になったのは確信犯かマグレか知らんけども、そんな気配が当時からあったのかどうか分からんけども、暴対法以後の衰退や不遇や法の不備は昨今の映画でなんとなく知るところではあって。このお気楽なラストは今の時代だからこそ沁み入るものがあるような、ないような。
けども、大人が描く子どもみたいな平和の寓話か、いずれ来るであろう未来への皮肉か、だいぶニュアンスが汲み取れない感はある。色々と極論を言えば、必要悪としての役割を失ったらば?どうする?、みたいな起点から作用点まで笑えない時限爆弾なのか、花束なのか。この環境においてヤクザの衰退が意味するところ。国境を消すとどうなるか。属国か。いけずなこと考えだすとキリがないけども、作った人が人なので色々と勘繰るけども、本当にシンプルに和やかにハッピーが良いよ。本当はみんなで仲良くしたい。しよう。
そんなことさて置いて話の発想そのものが非凡、あの時代の空気感も憧れ、昭和への慕情が溢れるのでわりとずっと楽しさを維持して見れた。飽きなかった。
また一周したら見たいので、もうちょっと手軽に見れるようにしてもらって。
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