工藤蘭丸

マンダレイの工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

マンダレイ(2005年製作の映画)
3.9
ラース・フォン・トリアーの「アメリカ三部作」の2作目になる2005年の作品。前作『ドックヴィル』の続編という設定だけど、主役のニコール・キッドマンがスケジュールの関係で出演出来なくて、ブライス・ダラス・ハワードに代わったので、あまり続編という感じもしませんでしたね。

舞台劇のような簡易なセットやナレーションによる説明、章立ての構成などは前作と同じだけど、主人公のキャラクターも変わってしまったような感じで、やはり前作と比べると物足りなさがありましたかね。

それでも、アイロニックなストーリーは結構面白かったかな。私の同級生などにも、定年になって自由になったのに何をやって良いか分からず、結局再就職の道を選ぶ人も多いみたいで、やはり人間というのは長年の習慣を変えるのは難しいのかも知れませんね。

でも、本作は続編を前提として作られていたようで、ラストのご都合主義はちょっといただけなかったかな。おまけに続編の製作は無期限延期になってしまい、結局宙ぶらりんのままで終わってしまったような感じの作品でした。