とか26

ローズマリーの赤ちゃんのとか26のネタバレレビュー・内容・結末

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

🟨【良かったところ】
迷惑隣人ババアの解像度が異様に高くて、
迷惑隣人ババアって時代越えんのかよって思った。
これ55年前の映画だぞ。
フォークをぐわんって回しながら
ケーキ食べるのもだけど、
自分のケーキ食ってるフォークを使って
追加のケーキ手渡してくる不潔さ、すごかった。
55年前の映画なのに
こういうリアリティあるんだ…。

ズカズカ入ってくる客だったり、
悪夢見てるときの赤く燃えてる部屋だったり、
ダーレン・アノロフスキーの【マザー!】って
【ローズマリーの赤ちゃん】から発想した
映画だったんだ…。
そういえばあのグリーン横顔パッケージ、
オマージュしてた気がする。

突如やってくる悪夢パートの異様さ。
教皇みたいな服装の人がいたり、
全裸で取り囲む老人たちだったり、
【マザー!】やら【ヘレディタリー】、
【ミッドサマー】なんかの
悪魔召喚的なあの強烈なイメージ映像って
この映画が元祖だったんだな、たぶん…。

ローズマリーが悪魔に孕まされる場面、
【ベルセルク】のキャスカとグリフィスの交わりを
想起させられて、一瞬脳裏が非常に最悪になった。

ババーがあの医師に電話するときに、
「今度こそきっと」の一言を入れてたとこ、好き。
あの時点でもうこの先がアカンことを明示してる。

カスタベットが悪魔家系の子孫って判明していく、
アナグラムのくだりとかかなり面白かった。
「正体バレるやろ アナグラムなんて使うな」とか
「タニス草の名前そのまま使うな バレるやろ」とか
何度も悪魔側のザルさ加減 心配してたけど。

妊婦さんの精神的な状況による妄想なのか、
ちゃんと真実に近づいてるのか分からない
あのバランス感、絶妙。
そしてやってくる、ラスト10分。
むかしの映画とかに対して
しょっちゅう言われ続けてることだけど、
大昔にこんなネタに辿り着いてるのがスゴイ。
現代で作られてたとしても
熱狂的な作品になるの確定みたいな終わりかた。
魔王が生まれてくるまでの
最高に面白い前日譚 見てる気分になる。
一般的な現実世界のなかで
悪魔の集会をしてるギャップが最高にカッコいい。
あのオチに関しては余裕で5.0付けられる。
悪魔系の映画は
一生この作品"以後"って呼ばれんだろうなみたいな
革新的な展開、結末だった。

象徴的な悪夢を見てしまう、
怪しい人たちと関係性を持ってしまう、
悪意が迫ってるのに妄想だと思われてるだとか、
身近な人が呪いで唐突に殺される、
悪魔崇拝者たちによる全裸の集会などなど、
この映画以後の悪魔系映画たちって
まったく進化してないんじゃん…?って
思ってしまう.おもしろ要素の多さもすごかった。
それゆえにこの本家のオリジナリティを
完全に楽しめなかったのは皮肉…。
この辺の要素、もうさすがに見飽きちゃってる…。
この作品の影響力、凄すぎるんだろうな…。


🟥【気になったところ】
「壁が薄い」って何度も言及してる割には、
部屋帰ってすぐに隣人の悪口言いまくるから
だいぶハラハラした。

開始1時間経ったぐらいのとこのローズマリー、
ツッコミ待ちなぐらい顔が白くて
さすがにツッコんじゃった。
あの顔で「痩せた…?」って心配したら
ガチ凹みされるの、
トラップだとしても理不尽すぎる。

ありがとうございました。
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