とか26

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのとか26のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

❶2024/02/24
❷2024/02/25
❸2024/03/04


🟨【良かったところ】
映画にとって最重要な掴みの部分を
ホルガが強いっていう一点のためだけの
コメディパートに仕上げて
お堅いファンタジー感をまず薄めた直後、
主人公とホルガの過去説明のくだりで
ジャーナサンのコメディを投下しまくって
これでもかと世界観への苦手意識を削っていく
一切の隙がない文句なしプロの作りをしてた…。
主要メンバーをちょい見せしとくことで
あとあと出てきた時に
もう観客の知り合いにしとく小ワザも見事。

【ロードオブザリング】でしか見かけないレベルの
引いた画面で世界観を見せてくれる懐のデカさ。

キーラにすぐ再会させてるのも何気に恐ろしくて、
一旦再会させてから離れ離れにすることで
よりキーラを取り戻したいエドガンの意思を
強くさせる作りになってた。
金持ちになりたかったんじゃなくて
蘇りの石板が欲しかったっていう事実の信憑性を、
手配書の有無で一気に下げてくる展開も上手い。

斬首寸前のシーン、
「いい武器だな」って発言で時間稼ぎを始めて
ホルガの大暴れで敵を倒したあと
その武器を貰っていくことで
すかさず"いい武器"を回収してる無駄のなさ。
ホルガと、何もしてない主人公の対比も完璧。

1エピソードごとの目的が明確なので
場面場面のテンポが抜群にいい。
仲間が集まっていく過程もあっという間。
歩きながら会話してくれてるのも
地味に重要ポイントで退屈にならない。
同時にロケーションも瞬きするように
変わっていくから画面までもが楽しい。

「自然の化身がいる」ってバレて逃げるとこの
ワンカット風な動物変化の連続CG、
カメラワークも、そもそもCGの使い方も
文句のつけようがないぐらい
エンタメしてて素晴らしかった。
俯瞰からの街が 隅々まで作られてて感動したし
CGだなって分かるクオリティではあるけど、
面白さが勝ってるんだからCGの勝利。

テンポアップという名の巻きの技術が多すぎて
最高にお腹いっぱいになってくるんだけど、
テンポがいいからこそ
死者への5つの質問コーナーみたいな
ゆっくりめのコメディパートが作れるし、
常に早いテンポを一旦落ち着かせる効果も担ってる。
5つしか質問できないって縛りのルールが、
5つも質問しなきゃいけないから
「好物は?」とか「2+2は?」っていう、
質問というか ただの失礼を連発してて
どこまで面白いんだこの映画…って小躍りした。

脳みそモンスターとか、橋の崩壊とか
国は違えど 振りとオチで笑わせてくる
コメディの作り方が日本とまるで一緒で感動する。

ホルガにしろゼンクにしろ、
アクションシーンも抜かりなく
わやクソにカッコいい。隙がない。

ここまでで、本編まだ半分。てんこ盛りすぎ。

デブのドラゴンっていうアイデア
個人的に見たことない映像だったので、
映像見て「楽しい〜〜」って思う脳の機関を
イジイジされたみたいでなんだかドキドキした。
ソフィーナの魔法で床に沈んでく序盤とか、
ポータル関連で上下が反転するカメラワーク、
同調してる時に湾曲して溶け出す後ろの景色とか、
CGに対して感動覚えたのも久しぶりだった。

問題解決への方法もアイデアの宝庫で、
ドラゴンの吐く息に対して
チャッカマンの魔法使って爆発させるとか、
ポータルを絵画の裏に付けて紛れさせたあと
虫に変身して荷馬車から脱出するみたいな
あのテンポで出してくるには極上すぎない?って
心配になるクオリティしてたのも最高だった。

終盤、石と血管の手でパンチ対決するとこ、
たぶん脈絡なく西部劇感出してて面白かった。
画面手前に両者の手を写す構図もだけど
しっかり2人の間を枯れ草が通るみたいに
入れ物が転がってて、最高だった。
エドガンとホルガも転がっててさらに笑った。

サイモン、ホルガ、ドリックの3人が
【アベンジャーズ】の偽予告みたいに
手前に向かって走り出してからの
接近戦 魔法対決のワクワク感、
【エンドゲーム】にも負けてなかった。
ソフィーナをボコボコにするドリックの
ネジがぶっ飛んだ暴力描写も
ハルク意識してるように見えてくる。

青いトンボ(?)は捕まえず逃すって言葉が、
「本当の妻への思いを手放して
目の前に居る育ての母を助けてあげて」
って流れに誘導する前振りだったとは、
末恐ろしい完璧さだった。


🟥【気になったところ】
特になし。


ありがとうございました😊
とか26

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