とらキチ

ブリットのとらキチのレビュー・感想・評価

ブリット(1968年製作の映画)
-
35mmフィルム上映『ワーナー・ブラザース 35ミリ・フィルム・セッションズ』にて鑑賞。
令和の世に、この作品をスクリーンで、しかも35mmフィルム上映で観れるなんて!
アクション映画、特にカーチェイス・アクションシーンにおいて歴史を変えた作品、であるとともにスティーヴ・マックイーンのカッコ良さを堪能する作品。
劇中マックイーンが身にまとう、コートやショールカラーのカーディガン、ツイードのジャケット、ハイネックのセーター、細身のパンツにチャッカブーツ、さらにはパジャマにいたるまで全てがカッコ良くて真似をしたくなる!実際、昔マネしてたけど。特に丈感なんかは、現代ファッションの視点からしても全然古くない。
カッコイイと言えば、オープニングタイトルバックのオシャレさカッコ良さも特筆モノ。
“マスタングGT390ファストバック”と“ダッジ・チャージャーR/T 440”2台のマッスルカーが対決する伝説の10分間のカーチェイス!ラロ・シフリンの手によるジャジーな劇伴が流れる中、チャージャーの後をひっそりと付けるマスタング。それに気付いたチャージャーがホイールスピンしながら急発進して逃げ出し、それをマスタングがV8エンジンを全開にして追いかけ、その瞬間から劇伴がピタリと止む。ここからは軋むタイヤ音と唸るエンジン音だけで十分!と言わんばかりの演出が素晴らしい。そこからのカット割りも素晴らしくて、さすが元レーシングドライバーのピーター・イェーツ、といったところ。また、基本的に状況の説明等が少なく、セリフに頼らず、細かな仕草だけで登場人物の人となりを描く人間描写・心理描写も実に巧い。
それとタクシー運転手役でロバート・デュバルが出ていたのも、要注目ポイント。
とらキチ

とらキチ