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ジュラシック・パークのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

ジュラシック・パーク(1993年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

クローン技術によって古代の恐竜を生き返らせたテーマパークが舞台。そのテーマパーク「ジュラシック・パーク」のオープン前に、学者たちを創設者が案内し、パークを体験するのだが、前日までの嵐で管理システムが崩壊した状況だった。ティラノサウルスなどの野生を取り戻した恐竜たちが人間に襲い掛かる…。

スピルバーグ監督作品でSFスリラー映画の金字塔であると同時に、CGによる映像革命を起こした映画である。

本作はまさに「現代の技術が恐竜を蘇らせた」作品。
物語の設定もそうだが、革新的なCG技術がまるで恐竜が現代に蘇り、生きているかのように映像化したという二重の意味で。
主人公達の前に生きて動く恐竜が初めて姿を現す、あの瞬間に当時は鳥肌が立った。
映画の新時代に立ち会った瞬間だった。
今見ても、その時のことを思い出す。

しかし、この映画は決してCGのみが売りではない。
重量感を表現するため、実物大のロボットを併用し、恐竜たちが今そこにある存在であることを実感させる。
学者を演じる俳優たちの確かな演技も恐竜の存在感を引き立たせる。

またスリラーとして恐ろしいのは、スピルバーグ監督の確かな演出力あってこそ。
「ジョーズ」同様になかなか姿を見せない恐竜の恐怖を上手く利用し、ここぞ!というときだけに効果的にCG技術を用いている。
静と動の演出の起伏が絶妙で、特に人間が食われるまでに恐竜がゆっくりと迫り来るあの間が本当に怖い。

原作者マイケル・クライトンが70年代に発表した西部劇テーマパークでのロボットの反乱を描いた「ウェスト・ワールド」と同様に「奢り昂る人間の技術への警鐘」をテーマした本作。

琥珀に閉じ込められた蚊が恐竜の血を吸っており、恐竜のDNAを復活させたという、現実に起こり得る設定が秀悦。

SFとしてのテーマ性も深く、ラストのティラノサウルスの孤独な雄叫びは「なぜ、この時代に復活させた?」という人間の技術に踊らされた犠牲者の憤り、または、生命を弄ぶ人間への神の怒りにすら聞こえる。

後の時代の重量感も存在感も感じられないCG技術とは、いまだ明らかに一線を画す。
何度見ても驚異的だ。
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