きゅうりのきゅーたろう

さくらんのきゅうりのきゅーたろうのレビュー・感想・評価

さくらん(2007年製作の映画)
3.7
8歳にして吉原の遊郭に売られた少女・きよ葉は自分も遊女になる未来を恐れていた。店番の清次は咲かないと言われている吉原の桜が咲いたらここから出してやろうときよ葉に告げる。当時店いちばんの花魁であった粧ひに挑発されたきよ葉は瞬く間にスターへのぼり詰めトップ花魁として名を馳せる。しかしそこに客として現れた惣次郎と出会い恋に落ちるも大尽への身請け話が持ち上がり…というお話。


蜷川実花×土屋アンナ×椎名林檎とかいう親和性が強すぎるタッグが奇跡。

当時の遊郭について詳しくないので、あくまでこの世界観はイマジナリー遊郭ということで見ていましたが、蜷川実花のビビッドな画面作りがイマジナリー遊郭とピッタリ合致していてまず世界観は二重丸。

んで、反骨精神の化身みたいなきよ葉を演じた土屋アンナもイメージ二重丸。

んで、椎名林檎はこの世界観にはピッタリというかむしろ椎名林檎以外務まらんやろくらいなので音楽を担当してくれたのはありがとう。

遊女といえば真っ先にモチーフとして挙げられるのは蝶なので、さぞカラフルな蝶が出てくるんやろなと思ってたらいい意味で裏切られ、浮遊感的なイメージはそのままに、金魚に置き換えられてる点が個人的にはグッと来た。
ここを金魚にしたことによって、ここ=遊郭からは出られないという閉塞感を表現しているから。
蝶やと飛べちゃうから閉塞感が無いわけですね。

とにかくまあ蜷川実花の映画が好きな自分にとってはなかなか刺さった映画でした。
あの桜の綺麗な世界で幸せになってくれせめて。