髙橋佑弥

君と別れての髙橋佑弥のレビュー・感想・評価

君と別れて(1933年製作の映画)
4.5
イマジナリーラインなんて知らんとばかり積極的にカット割りまくる成瀬(28歳)。ドリーイン&アウト撮影ノリノリ多用に若さを感じるが、空間内でのカメラ位置推移は既に"らしい"。会話場面の最中に、窓外/橋外/岸外から人物を捉えたショットを突然ブチ込んでくる演出も完成されてる。

一番わかりやすくハッとさせられるのは、唐突な海背景中間字幕なんだけど、むしろ逆に何故これ流行らなかったの疑問(流行って効果的だったかは別として)。ナイフ乱闘、速すぎて視認不能…動き始めたらもう取り返しのつかない、歯止めの効かぬ運命づけられた出来事...感が凶悪で無情。

然程ありがたみもなければ、現代において別に箔がつく効果も果たさない情報だろうが、『君と別れて』はジョルジュ・サドゥールも褒めたらしい。

2020/05/14
髙橋佑弥

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