映画ネズミ

エイリアン2の映画ネズミのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
5.0
向いている人:
①SF映画と戦争映画が好きな人
②『エイリアン』、興味はあるけど気持ち悪いし見るの怖いな……という人
③『ターミネーター2』が大丈夫な人は、本作も大丈夫だと思います!

 さて、100レビューまであと少し! 思い出再訪シリーズ、今回は「面白いシリーズ2作目」の代表格、『エイリアン2』です!

 ノストロモ号での惨劇の後、唯一の生存者であるリプリーの乗った脱出船が保護される。地球軌道上で目覚めたリプリーは、かつてノストロモ号のクルーが異星人の宇宙船を発見した惑星に人間が入植していることを知り、激しく反発する。やがてリプリーの恐れていたとおり、植民地との連絡が途絶え、調査のために海兵隊が派遣されることに。リプリーは、地震のトラウマと戦うために、海兵隊に同行を申し出る。

 この映画、私は最初DVDで見たのですが、『プロメテウス』の公開の前後でひっそりと復活上映をしていたことを知り、慌てて見に行き、スクリーンで見ることができました!

 『エイリアン』1作目は、「正体不明」で「倒せない」エイリアンが本当に怖かったのですが、今回は「今度は戦争だ!」という、映画史上1,2を争う名キャッチコピーのとおり、物量作戦。エイリアンが群れで襲ってきます。

 『エイリアン2』は、ホラー的な場面は最小限にして、あとは「どうやってエイリアンを倒すか」を描き続ける戦争映画です。しかも、1作目で何があったのか、ストーリーの理解に最低限必要なことは説明してくれるので、『エイリアン』1作目が怖くて手を出せない!という人も、本作だけ見ても大丈夫です!!

 しっとりしたホラーだった1作目と違い、今回は惑星にたどり着いてからはアクションシーンのつるべ打ち! 見通しの悪いエイリアンの巣の中で室内銃撃戦の後は、装甲車でカーチェイス、そして籠城戦に突入します。もう見せ場満点です!

 登場するキャラも、前は会社員ばかりでしたが、今回は百戦錬磨の海兵隊。

 しかも『ターミネーター』のカイルことマイケル・ビーン(吹き替えの声にも注目!DVD版は大塚明夫さん、ブルーレイ版は森川智之さん!)と、ビル・パクストンと、ランス・ヘンリクセンですから、頼れる感がハンパじゃない。

 そして、キャメロンといえば「強い女」。トラウマを抱えながら次第に覚醒していくリプリーと、「やったろうぜ!」が口癖のバンダナ巻いた女兵士・バスケス。どっちもカッコいいですね。

 ちなみにバスケス役、今だったら確実にミシェル・ロドリゲスがやってますね笑

 『タイタニック』でもおなじみジェームズ・ホーナーの、せきたてるようなハイテンポのマーチ音楽。ミリオタのジェームズ・キャメロンらしく、現実の兵器のテイストを絶妙に取り入れたメカや武器のデザイン。

 ジェームズ・キャメロンの映画は、本作も含めて、「青」と「暗闇」を印象的に使いますね……感心します。

 ちなみにこの映画、「劇場公開版」のほかに、20分くらいシーンを追加した「完全版」があります(ブルーレイではどちらでも見られます)。

 「劇場公開版」は純粋にSFアクションとして楽しみたい人、「完全版」はリプリーのキャラが掘り下げられているので、人間ドラマ的な面をじっくり楽しみたい人向けです。どちらもいいですよ!

 『エイリアン』の1から4は、「エイリアン」というキャラを使ってどうやって遊ぶか、という挑戦を様々な監督がしているので、その料理の仕方が面白いですね。本作が大丈夫だった!という方は、興味があればそれ以外の作品も試してみてはいかがでしょうか。

 いつ見ても面白い、80年代を代表する名作だと思います!!
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