映画ネズミ

人生は二度とないの映画ネズミのレビュー・感想・評価

人生は二度とない(2011年製作の映画)
5.0
向いている人:
①最近嫌なこと続きの人
②これからちょっと気が重くなるイベントを控えている人

 お久しぶりです。久々のレビューは、友人に勧められて観た作品です。

 僕の友人は、僕なんか及びもつかないくらいたくさんの映画を見ていたり、僕が普段見ないような映画を見ていたりして、本当に尊敬しきりなんですが、その中でも主に2人の友人に勧めてもらいました。

 1人は、インド映画LOVEな映画博士。「忙しい」と言いつつ、年間300本以上見ている猛者です。ハリウッドだけでなく、インドからアジア系映画まで本当に知識豊富で、裏話などもたくさん教えてくれる映画の先生です。

 もう1人は、僕にとっては「ロードムービーのソムリエ」。ロードムービーを食わず嫌いしていた僕に、『17歳の瞳に映る世界』と『スーパーノヴァ』を勧めてくれ、ロードムービーの魅力を教えてくれた人です。

 お2人ともかけがえのないお友達です。

 その2人から勧められたので、これは行かねば!と劇場に足を運びました。


 ストーリーはシンプルです。結婚間近の主人公とそのお友達2人が、独身最後の旅行と称してスペインを旅して、色々な人に巡り合っていくというものです。

 海外には「バチェラー・トリップ」や「バチェラー・パーティー」という、結婚を間近に控える男性が同性の友人たちとハメを外しまくるイベントがあるそうです(女性は「バチェロレッテ~」と言うそうです)。遠くに旅をしたり、とことん飲み明かしたり、ストリッパーを呼んだりしてはっちゃけるそうです。日本ではあまり馴染みがないですね💦

 そのバチェラー・トリップをする3人は、それぞれ過去の後悔、現在の悩み、将来への不安を抱えています。それが、一緒に旅する中で浮かび上がってきます。

 2時間半という上映時間で、「あっという間だった!」という感じではありませんでしたが、退屈しなかったどころか、胸に染み渡る作品でした。

 人間誰しも、成長すればするほど、自分の世界が(自分でも気づかないうちに)狭くなっていきます。守るべき立場や社会での役割に、いつの間にかはまっていき、夢を諦めていくこともあります。

 でも、今までの立場や役割とは違う世界に足を踏み入れると、新たな人生が見えてくる。そのワクワクを教えてくれる作品でした。

 また、大人になったがゆえに抱える後悔、将来への不安、果たせなかった夢を果たしたいという思いに対して、優しく寄り添ってくれる作品でした。「もう何もかも嫌だ!」という状態になった登場人物に対して掛けられる、「死ぬことより、生きることを考えよう。」という台詞に胸を打たれました。

 人生、プレッシャーだらけですし、嫌なことも多いです。そんな時に、少し立ち止まって、よそ見をしてみるのもいいかも、と思わせてくれる作品でした。そして、持つべきものは友、ということを改めて実感させてくれる作品でした。

 自分のことは、自分が最も分かっていないものです。皆様、相変わらず駄文を垂れ流す僕ですが、引き続きよろしくお願い致します。
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