映画ネズミ

未来は裏切りの彼方にの映画ネズミのレビュー・感想・評価

未来は裏切りの彼方に(2019年製作の映画)
3.7
向いている人:
① 「バレるかバレないか」サスペンスが好きな人
② 第二次世界大戦(ヨーロッパ戦線)を扱う映画に興味がある人

 チネマット試写会で鑑賞した初の洋画!やったー!
 
 兵士ジャックは、部隊の皆と娼館に立ち寄るが、皆がいなくなったところで抜け出し、妻エヴァの住む町へ逃げ帰る。彼はエヴァの勤める工場の労働者として暮らし始めるが、そこに、娼館でジャックと話した娼婦キャットが現れる…。

 製作国スロバキアの映画。「スロバキア映画」って見たことなかったですが(同じく第二次世界大戦を描いた作品『異端の鳥』はスロバキア映画でもあるそうです💦)、音声は英語でした。

 第二次世界大戦を描くヨーロッパ映画にはシンドイものも多いですが、本作も例に漏れず。ジャックとエヴァの関係は当初微笑ましいものにも見えるのですが、勤務先の工場の経営者がナチスとドップリだったり(でもナチスが勝って戦争が終わると工場の経営が危うくなるので戦争は続けてほしいというどうしようもなさ…)、一方でパルチザンの活動が活発になっていたり、そのせいで秘密警察が目を光らせていたりと、情勢が不安定すぎて一瞬も気を抜けない…!

 そして、娼婦キャットが登場してからは、ジャックの「やばい!おれが逃げ出した兵士だってバレないかな?バレるかな?」というサスペンス濃度が高まります。

 ところが本作は、「娯楽の王道」ハリウッド映画ではなくヨーロッパ映画。「えっ、そっち行くの!?」ってなもので、とんでもないところに連れていかれます。

 脱走兵ジャックの「バレるかバレないか」サスペンスかと思いきや、戦争という異常な状況下で、生き残ることに必死な人々の姿を描く作品でした。クズが多数登場しますが、自分が同じ状況に置かれた時、彼らと違う選択ができるのか?心に問いかけられる作品でした。
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