Adele

踊る結婚式のAdeleのレビュー・感想・評価

踊る結婚式(1941年製作の映画)
3.8
面白かった!
ジンジャー・ロジャースとの共演がなくなってからのアステア作品って、正直、微妙なものが多かったんだけど、これはダントツで面白かった
もう完全にコメディで笑えるシーンがたくさん

アステアは舞台振付師ロバート役
上司マーティンは既婚者なのにいつも若いダンサーと浮気
リタ・ヘイワース演じるシーラはマーティンに対して全くその気はないのだが、運悪くマーティンの奥様に知られてしまい、その騒動になぜかロバートも巻き込まれてしまうというストーリー

最初は舞台での練習やレストランシーンがあり、いつも通りの展開なのに急にロバートが徴兵されてしまうから、もうビックリ
とはいえ、製作が1941年だから致し方ない
そこからは、軍服や兵士達に囲まれてのストーリーだけど、全然重苦しくなく、コメディだから軽い軽い
入隊してからのアステアの歩兵ステップには笑った!

話題のリタ・ヘイワースですが、まぁ、かわいらしいことといったら!!!
公開当時、23歳の女性にかわいらしいという表現は少しおかしいかもしれないが、本作のリタは妖艶とかセクシーさはあまり感じられず、個人的にはかわいらしいという風に感じた
本来、リタは1940年代のセックスシンボルだったし、どうしてもあの有名なギルダのイメージなので、先入観からかセクシーなイメージだが、今作は1941年公開でギルダの公開前で、まだあのギルダのイメージが湧いていなかったのかも

また、アステアとリタのダンスですが、まぁまぁでした
リタも幼い頃からダンスの経験があり、踊れるから、ちゃんとアステアと踊れてはいたのですが、振り付けは割と簡単なものだったし、アステアとリタにも微妙な距離感があったと思う
初共演だし、お互いに遠慮した部分があったのかもしれないけれど、信頼関係やケミストリーは感じられなかった
比べてはいけないのだが、ジンジャー・ロジャースの場合はもう完全にアステアを信頼し、完全に身を任せていたのがわかる
リタとアステアには、それがなかった
とはいえ、リタはちゃんと踊っていた
アステアとリタのダンスには優雅さや美しさはないものの、代わりにはつらつとして健全な明るさを彷彿させるダンスと振り付けだった

しかし、今回のアステアのソロダンスシーンはまたもや神がかったステップを魅せてくれている
営倉でのソロタップシーン
神がかったというか、もはや神!!!
あんな息をのむ素晴らしいダンス観たことないです!!!
あんなダンスを踊れるのは後にも先にも、フレッド・アステアしかいないと思います
まさに彼はダンスの神!!!

今作は全体的にコメディ色が強く、アステアとリタのダンスも愛らしく、ご都合主義の展開はあるものの、笑って許せる作品でした
また、ジンジャー・ロジャースと共演しなくなってからのアステア作品では一番面白い作品だと思います
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