素晴らしい。新米刑事・長門が初めて遭遇する殺人事件。刑事という仕事の理想と現実のギャップに思い悩む姿は、こういう犯罪捜査モノにおいては結構新鮮だった。お花が好きな優しい先輩刑事・伊藤雄之助はホントに上手いし、地道な捜査パートでコンビを組む本庁刑事・高品格のこれまで高品格に感じたことのないかっこよさには心つかまれる。俳優陣の魅力に加えて、地味な捜査にうんざりした長門が高品に不満を訴えるシーンで二人の背後をバイクが通りすぎるその走行音であったり、終盤長門が長谷百合の働く花屋へ意を決して立ち入る場面の揺れる手持ち撮影であったり、スタッフワークによる細かい演出に目を見張る。伊部晴美のジャジーな劇伴も◎。
