駈けだし刑事の作品情報・感想・評価

「駈けだし刑事」に投稿された感想・評価

「駆け出し刑事は、お茶汲みから」

警察学校の訓練から、交番勤務を経て刑事に昇格する語りを、タイトルからスタッフクレジットまでの2分ぐらい描く冒頭から結構快調な作品。

新米刑事の長門が、デカ部屋の慣れないしきたりに戸惑い、怒られながらも殺しの事件を追う。

新宿署の汚い壁や、先輩へのお茶出しに、地味な要所巡りなどのリアルな描写も良い。

伊藤雄之助と高品格の先輩刑事が、新米刑事の主人公を諭していく場面は、定番ながら良い。

悪徳金融業者の男が殺されて、その事件を捜査する内に、同情出来ないワルを判り苦悩する新米刑事の葛藤と並行して、先輩刑事の馴染みの花屋の女性店員に惹かれる。

しかし花屋の女性とその弟が真犯人でしたの展開は、都合良すぎな感じも拭えず、ラストに花屋の女性に手錠を掛けようとする新米の行動は疑問
(『殺すまで追え』の所で述べた。自惚れず・流れにのりきれない、引け目・負い目・怯えが、日常に善良を生んでた時代。)
伊藤雄之助(珍しく癖のないいい人)や高品格の存在感や、長門裕之が喜びのあまりウォーとなる場面、長谷百合の変なダンスなど、見どころが多かった。

「Laputa Asagaya 20th anniversary もう一度みたいにおこたえします」@ラピュタ阿佐ヶ谷
くずみ

くずみの感想・評価

3.8
辞令だ、僕刑事になったよ。駆けだし刑事長門裕之のほろ苦い成長譚。当初はそぐわなく感じたジャズの調べを、切なく思えるようになる。見守る植物刑事・伊藤雄之助の味わい。高品格かっけー。
新宿所轄の盛り場ロケが楽しい。タイトルバックと文字の構成よし。
絶対に違うけど『その男、凶暴につき』の元ネタかと思うくらい刑事がテクテクよく歩く。その画がとても良い。

話はすぐに読めるサスペンスだけど、捜査協力者を即ナンパしたり、ちょっとマザコンだったり、シャカリキというより異様に自己顕示欲がある長門裕之のキャラクターが面白い。

誤認逮捕された元シャブ中が無実を訴えて護送車で暴れるところが、眩しそうな映像と相まってシャブ中らしかった。本物のシャブ中は見たことないけど。

真犯人を捕らえに行く道すがら、上司の伊藤雄之助が、真人間になって社会に溶け込んだ脱獄犯を逮捕した過去を話し、その矛盾を問いかけたりする社会派な一面も悪くなかった。

被害者は殺されても仕方がない、むしろ死んだ方がマシな外道金融業者とはいえ、観客にもそう思わせるこの映画のような演出は今ではアウトだろうなとも思った。

まあ全体的に普通といえば普通な映画だけど大好きです。